◎アラフィフライターによる熱くて濃い「打順論」
5月24日(月)、野球太郎オンラインイベント『野球太郎ライターによる“打順考論”』の第1回が開催されました。
登壇者は本誌でもおなじみの野球ライター・服部健太郎氏、谷上史朗氏、キビタキビオ氏。野球観戦歴40年を超える“アラフィフ”ライターたちが打順をテーマに濃厚トークを繰り広げました。
◎白熱した“2番打者論”
最初のフックになったのは、今季の12球団の開幕戦、開幕1ヶ月後のスタメン。やはり三氏が注目したポイントは2番打者でした。
「やっぱり2番は左がええよなぁ」
そう切り出したのは谷上氏。盗塁のしやすさ(捕手の投げやすさ)や併殺を考慮すると、やはり2番は左打者が適しているのとの仮説。
谷上氏が歴代で「最も2番に適していたの選手」として挙げたのが、広島や阪神で活躍した金本知憲。実際にはクリーンアップでの起用が多かったものの、左打者で、なおかつ、1002打席連続無併殺の記録を持ち、足も速く、一、二塁間への強い打球が多かった金本なら、いまの時代の2番に適任だったのではないかとの持論を立てました。
確かにいまのところ、成功を収めているロッテの「2番・マーティン」も左打者。「2番・強打者」ならぬ「2番・“左の”強打者」説が飛び出しました。
イベントの後半には1980~81年に広島が組んでいた「1番・高橋慶彦、2番・衣笠祥雄」のオーダーも話題に。
「衣笠さんは豪快な空振りをするから、キャッチャーが投げにくい。盗塁を助ける効果もあったのでは?」(谷上氏)
「バレンティンみたいな感じで」(キビタ氏)
「その割に盗塁失敗も多かったような…(笑)」(服部氏)
と大盛り上がり。このあたり打順の意図も取材を通じて、今後のイベントで明かされていくかもしれません。
◎ラミレス監督の「8番・投手」は叩かれすぎた!?
続いて議題に挙がったのは、DHの有無による「2番・強打者」の有用性。2巡目以降を考えると、9番に投手を挟むセ・リーグとDH制によって打線の自由度の高いパ・リーグでは、やや効果が異なるのではないかという点。
三氏は、「2番に強打者を起用するのを前提とするなら、DeNA・ラミレス監督の8番・投手はアリだった」と口を揃えました。
大の巨人ファンの服部氏は、1980年後半戦にスイッチヒッターに転向したばかりの松本匡史が「8番・投手、9番・松本」の並びで起用されていたことに言及。「若手を育てる意味ではいい起用法だった」と懐かしんでいました。
また、服部氏は中学時代をアメリカで過ごした経歴の持ち主ですが、中学野球のカテゴリーでも4番ではなく、3番に最強打者を置くのがセオリーだったことに驚いたそうです。
◎「4番・安田」は実質6番!?
延長戦で盛り上がったのは「6番打者論」。キビタ氏は、
①将来のクリーンアップを育てるための若手起用パターン
②1~2番打者が足腰の衰えで打順が落ちるパターン
③元クリーンアップが衰えで落ちてくるパターン
の3パターンに分類しました。
「①の目的なら、ロッテの安田は4番ではなく、6番がいいのでは?」
と提唱したキビタ氏に、谷上氏が待ったをかけた!
「いまのロッテはマーティンが『4番』みたいなもんやから、実質6番やん!」
これにはキビタ氏も服部氏も「腑に落ちた」と納得。その他にも巨人V9時代の打順考察や外国人選手の打順の好み、阪神・佐藤輝明の2番起用試論など、さまざまなトピックスが挙がり、濃い1時間半になりました。
次回以降は打順別にまだまだ深掘りしていく予定。チャットで受講生からのコメント、質問も可能。次回の「打順考論」もお楽しみに!
次回は6月28日(月)の開催予定です!