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去る選手に残る選手…今注目したいベテランたち

去る選手に残る選手…今注目したいベテランたち

セ・リーグは巨人が優勝し、パ・リーグにもついに優勝マジックが灯り、まさに大詰めを迎えているプロ野球。この時期、ペナントレース以外で話題に挙がるのが、各球団のベテラン選手たちの去就についてだ。

9月2日には42歳の稲葉篤紀(日本ハム)が、11日には38歳の里崎智也(ロッテ)が相次いで引退を表明。一方では、里崎と同じロッテの39歳、井口資仁が来季も現役続行すると報じられるなど、この時期はベテラン選手も応援するファンも、特別な想いを抱く季節でもある。今回はこのベテラン勢たちにクローズアップしてみた。

<パ・リーグ編>

去就問題といえば、18日に突然発表された楽天・星野仙一監督の辞任。成績不振を理由に、今季限りで闘将はチームを去ることになった。その楽天では10月に39歳になる松井稼頭央が元気なプレーをみせている。8月は打率.380、15打点、4本塁打を記録して月間MVPを獲得。9月に入っても8日のオリックス戦でサヨナラ2ランを放つなど、存在感タップリの活躍をみせている。

存在感といえば38歳の福浦和也(ロッテ)を忘れてはならない。下位に低迷するチームで、時にはスタメン、時には代打と監督の起用に応える働きを続けてい る。特に代打を告げられると、スタンドの盛り上がりは最高潮。投手として入団したことを知らない、若いロッテファンも増えたようだ。

スタンドの盛り上がりといえば17日の西武vs日本ハム戦で、稲葉篤紀が打席に入ると西武ファンも“稲葉ジャンプ”で引退を惜しんだ。敵味方関係なく、球場全体が一体となったなかで、稲葉は引退表明後、初めての安打を、本塁打で決めてみせた。

その西武ではプロ20年目で通算182勝の西口文也も、43歳になる来季も現役続行の意思を表明。5月下旬に左脇腹痛で登録抹消も、8月にはイースタン・リーグで実戦復帰。来季に向けて調整中だ。

オリックスは、来季でプロ19年目になる41歳、谷佳知と来季も契約を結ぶ方針を固めている。谷は残り77本に迫った通算2000安打達成に意欲を燃やし ている。また、楽天の斎藤隆も45歳となる来季も現役続行する見通しで、日米通算24年目のシーズンを迎えることになりそうだ。

<セ・リーグ編>

一方、セ・リーグのベテラン選手たちも負けてはいない。

3年連続36度目のリーグ優勝(2リーグ制以降)を決めた巨人では、39歳の高橋由伸の貢献度は高かった。その高橋はケガで離脱したものの、同じく39歳の井端弘和、36歳の鈴木尚広の活躍も見事だった。

昨年に続き、クライマックスシリーズ圏内に食い込む広島は20年目を迎えた横山竜二が引退を発表したばかりだが、7月にスタメン定着した會澤翼がケガで戦線離脱しても39歳の倉義和と35歳の石原慶幸が仕事をこなす。

阪神は37歳の福原忍と36歳の安藤優也の両ベテランリリーバー、36歳の代打の切り札・関本賢太郎は健在で、9月に入って37歳の福留孝介が調子を上げてきている。勝負所で登場するベテランたちの活躍に期待がかかる。

DeNAでは41歳の三浦大輔が、8月に3勝を挙げて、7年ぶりの月間MVPを獲得し、5月の井納翔一、6月の山口俊に続く受賞は、球団史上初の1シーズ ンで3投手の月間MVP受賞の記録となった。また、DeNAでは三浦と同じ歳の中村紀洋も来季の現役続行を熱望しており、その去就が注目される。

8月は7勝20敗と大きく負け越し、シーズンも2年連続負け越しが決定した中日は、何といっても42歳の和田一浩と、39歳の岩瀬仁紀が8月上旬に相次い で、離脱したことが痛かった。もし、和田が2000安打を達成していれば、チームの雰囲気もまた変わったのかもしれない(現在1985本)。また、中日と いえば “生ける伝説”山本昌。9月5日の阪神戦で通算219勝を挙げ、日本プロ野球の最年長勝利記録を更新したことは、記憶に新しいだろう。来季以降も、自己記録を更新しつつ、メジャー記録(モイヤー[当時ロッキーズ]が記録した49歳151日での勝ち投手)にも挑んでほしいと願う。

若手選手の成長が著しい日本球界だが、長年積み重ねてきた実績に支えられる人気はベテラン選手だって負けていない。登場とともに球場の雰囲気を変える、彼らを応援できるように祈りながら、残り試合も彼らのプレーを堪能したい。

(週刊野球太郎編集部)

 

・2014年9月27日 スポニチアネックス提供記事
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/09/27/kiji/K20140927009002410.html
※イマジニア株式会社ナックルボールスタジアムが著作権その他の権利を有する記事コンテンツを、スポニチアネックスで配信したものです。

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