投げるたびに日本記録を更新する男・山本昌。49歳0か月で迎えた9月5日の阪神戦で今季初登板を果たし、浜崎真二(元阪急)が1950年に達成した48歳4カ月の「最年長勝利記録」を64年ぶりに更新。さらに14日のヤクルト戦にも先発し、自身の持つ「最年長出場記録」を49歳1カ月に更新した。
今後も登板するたびに「最年長出場記録」を、そして勝っても負けても「最年長勝利投手」と「最年長敗戦投手」を更新し続けることになるのだが、意外に知られていない「歴代最多記録」もある。
その記録とは、プロ野球歴代投手のなかで史上最多となる「153犠打」という数字だ。
実はこの「153犠打」というのは、投手という枠組みを外してもかなりすごい成績だ。野手を含めた現役選手の中では現在14位。しかも、150犠打以上を記録した16選手のうち、通算試合数が1000試合以下なのは207犠打の日本ハム・大引啓次(887試合出場)と、152犠打の西武・渡辺直人(852試合出場)、そして153犠打の山本昌(588試合出場)の3人だけなのだ。
ちなみに、150犠打には届いていないが、現役選手で17位につけているのが中嶋聡(日本ハム)で148犠打。山本昌とほぼ同じ犠打数だが、中嶋聡の通算出場試合数は1548試合。つまり山本昌は、約1000試合も少ない出場数で同じ量のバントを決めてきたことになる。それだけ、バントミスが少ないことの証でもあるといえるだろう。山本昌は、実は隠れたバント職人だったのだ。
山本昌がこれまで成し遂げてきた200勝やノーヒットノーラン、そして史上最年長記録といった派手な偉業ももちろん語り継いでいくべき記録だ。だが、通算犠打数のような地味な記録にもしっかり光りを当てていくべきだろう。(記録は9月19日現在)
・2014年9月20日 スポニチアネックス提供記事
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/09/20/kiji/K20140920008961770.html
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