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【指導者必見!】立花龍司氏&西谷尚徳氏による「プロ野球選手養成講座」【イベントレポ】

【指導者必見!】立花龍司氏&西谷尚徳氏による「プロ野球選手養成講座」【イベントレポ】

◎「コンディショニング」の第一人者・立花龍司氏が特別登壇!

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 元プロ野球選手、現立正大学准教授の西谷尚徳氏を講師に迎えてお送りする本講座。2021年9月25日(土)、立花龍司氏をゲストに迎え、スペシャルLIVE講座を行いました。

 立花氏は1989年、コンディショニングコーチとして近鉄と契約したのを皮切りにNBP、MLBを渡り歩いた日本プロ野球界の「トレーナー」「コンディショニング論」の草分けとして知られるレジェンドです。

 楽天時代にはコーチと選手の関係だった2人。今の野球界に伝えたい「プロ野球選手育成法」とは?

◎さらに重要になった「自分で考える力」

立花氏「最近、思うようになったのは大嫌いだった“根性”も必要だと言うことですね。それはどういうことかと言うと、小学校低学年までに『野球が大好き』な子どもを育てる。『僕は一生野球から離れない』という思いがあれば、それが自ずと頑張る原動力になり、根性にも繋がる。理想は自分で考えてコーチを利用する選手。そこにたどり着くには野球が大好き、という思いや情熱がないといけません」

西谷氏「自分で考えるという点で象徴的な選手やチームはありますか?」

立花氏「不幸にも世界中がコロナ禍に陥ってしまい、野球部も自主練の時間がかなり増えました。そこで傾向として見えてきたのが、メチャクチャ伸びた選手とまったく伸びない選手が二極化したことです」

立花氏「肌感覚では『7:3』で伸びた選手が多かった。好例は昔、一緒にやっていた中谷仁監督の智辯和歌山高。彼はセンバツ出場を逃したタイミングで冬場の練習を1カ月半、完全に自主練にしたそうです。そこで選手が伸びて甲子園優勝に繋がった。中学野球などでも選手たちの休息が増え、球が速くなった、体が大きくなったといいます。選手に練習の主導権を渡す“転換期”が訪れているのだと感じます」

◎「指導しないコーチング」が理想

西谷氏「そうなるとある意味では『消極的なコーチング』ととらえられる可能性もありますが、そのあたりはどう解釈すればいいのでしょうか?」

立花氏「教えない、というよりは、気付いてもらうのが大事な部分だと思っています。君はこうだからこの練習をやりなさい、と押し付けるのではなく、会話の中で導いていく。『僕には○○が必要だからこういうトレーニングをしたい』と選手に言わせた時点でお腹の中ではガッツポーズをしています(笑)」

西谷氏「そこが立花さんの真髄だと僕も思っています(笑)。現役時代、トレーニング場で立花さんに声をかけてもらっていましたが、『西谷、今何やってるの?』『こういう狙いでこういうトレーニングをやってます』『頑張れ~』だけで終わりだったんです。選手との対話の中で考えを聞いてくれる、待ってくれる。そういったコーチは立花さんしかいなかったですね」

立花氏「そのあたりは今も変わっていないですね。日本人って商談でもそうですけど、沈黙を嫌がる。何か難しい質問が来るととりあえず取り繕ってしまう。だから、沈黙になりそうな時は『じゃあ、その辺歩いてくるから5分後にまたね~』とどっかに行っちゃうんです。その間に考えてもらう」

西谷氏「そういえば、立花さん、よく散歩していましたね(笑)」

立花氏「自分で考えて出した答えが一番“やる気”になる。コーチングの仕事を10とすると『7』が見る、『2』が励ます、『1』が質問することだと考えています」

◎一番大切なのは「方法論」ではなく「やる気」

西谷氏「楽天時代を思い返すと立花さんのトレーニングって簡単だったというか、やればできちゃうトレーニングが多かったと思うんですけど、そのあたりは何か狙いがあったんですか?」

立花氏「簡単な練習って楽しいでしょ?」

西谷氏「楽しかったです。できるから(笑)」

立花氏「少しずつ負荷を高めたりして、階段を一歩ずつ上がっていく形にしています。小さな成功体験の積み重ねがあると、自分が何をやってきたから成長できたのかがわかりやすいですよね」

西谷氏「僕もいつの間にか継続してやっていましたし、練習後のトレーニングが楽しかったです」

立花氏「やる気が一番大切な要素です。ありがちなのが、たとえば指導者が『今の野球界では股関節が重要だから勉強してきた。このトレーニングをやるぞ』といきなり始めてしまうこと」

西谷氏「ありますね」

立花氏「選手心理としてこのやり方では絶対に指導者がいないところではサボってしまいます。方法論の前になぜ股関節を鍛えるのかをしっかり説明する。選手に『股関節を鍛えれば、野球選手として得するぞ』と思わせてから方法論を教えるのがコーチングの在り方です。体の前に心を動かさないとまったく意味がないトレーニングになります」

 その他にも冬場のトレーニング論やフライボール革命、アメリカでの最新の打撃指導、子どもたちに野球を好きになってもらう方法など、Q&Aコーナーも交え、充実のスペシャル講義でした。

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